Prologue End
どこまで戻れば、俺達の道はすれ違わずに済んだだろう。
学園で再会した時?
ゲットーで見たあの時?
それとも7年前のあの夏の日?
君の母が亡くなり、ナナリーが身体の自由を奪われた日だろうか?
…いや、きっとどこへ戻っても俺達の道は重ならないのだろう。
ブリタニアと日本という、分かたれた二国に生まれたその時から、歩む道は消して交わる事の無いレールの上を走っていた。
それでも、信じていたかった。
いつか、君と手を取って未来を歩んでいける日を。
ユーフェミア様の理想を聞いた時、真っ先に浮かんだのは君の笑顔。
ただ願ったのは君の幸せ。
安らかな君の日々を求めて、彼女の手を取った。
その行動が、君に更なる苦しみを強いる事になるなんて、あの時は微塵も思わなかったんだ。
でも全ては遅い。
起こってしまった結果は、変わる事は無い。
―――けれど
僕は君を忘れられない。
あの日、静かに想った誓いは薄れる事はなく、今の鮮明に呼び起こされる。
それ程に君を愛していた。
いや、愛しているよルルーシュ。
だから許して。
「久しぶりだね、ルルーシュ」
君の罪ごと、愛す罪を―――
2008.02.24