乗っ取り前夜。


例の雑誌付録CDネタです、
聴いてない方やネタバレ嫌ー!な方はバックでお願いします。


よろしければどうぞ↓
雰囲気年齢制限アリっぽいですのでご注意ください。
































気がつけばルルーシュの視界に入る物は天井で、背中には柔らかな感触。
さらりと頬を撫でる手は自分より体温が高く、滑るような手付きでシャツの合わせ目へと入り込んだ。


「おい、スザ…」


聞きたくない、と言わんばかりにルルーシュの口唇はスザクによって塞がれた。
その口唇はスザクの行動を咎め様ともちろん開いたままで、噛み付くような接吻はあっという間に深く重なり、舌を捕らえられる。
逃げようにもルルーシュがスザクを押し返すなんて事は、体格的に無理な話だ。
抵抗を抑えるように一纏めにされたルルーシュの腕は、掴む彼の手は片手だと言うのに、がっちりと固定されて全く動かす事が出来ない。
吐息すら奪うキスに酔わされて、ルルーシュの脳内が霞ががってとろりと瞳を揺らめかす。
スザクの与える快楽を教え込まれた身体は、確かな愛撫を感じ取って反応を返してしまう。


「…は…んっ…」


解放されたかと思えばまた奪われて。
気がつけば既に拘束を解かれたルルーシュの腕は、スザクの背に回されて縋るようにその白いシャツへとしがみ付く。
キスだけで意識を飛ばすなんて、そんな事をルルーシュの高い矜持が許さないのを知っていて、タイミングを見計らって離れた口唇からは一筋の糸が引いて、切れた。
薄く膜の張ったルルーシュの瞳は既に快楽に溶けかけていて、欲の混ざったスザクの瞳をはっきりと見る事は叶わない。
それでも向けられる意識はルルーシュにも感じられて、スザクの背を掴む手に少しだけ力を籠める。


既に後戻りできない所まで熱は上げられている。
それが目の前の彼のよって点けられた火だとしても、それを満たしてくれるのも彼しかいない。
スザクに本気で抵抗する事など、ルルーシュに出来るはずが無かった―――










「…俺は明日ラジオジャックのイベント要員に借り出されてるって言ったよな」
「言ってたね」
「何時からかも伝えたよな」
「聞いたね」
「それでどうしてこうなるんだ!?」


先程までの濃密なまでの甘い香りはどこへやら。
熱が過ぎ去ってしまえばそこに残るのはいつものルルーシュで、事後の色濃く残る艶を身に纏ったままなのに出る言葉は全くそれを感じさせない。
少しだけ起こした上半身に残る所有の印に再び欲が顔を出してくるのを感じて、スザクはそれを押さえるように日中の笑顔を作った。


「ルルーシュが可愛いから」
「答えになってない…っ!」
「ほら、そんなに急に動いたら…」


勢い良く身体を起こしたルルーシュは、息をつめて顔を顰めた。
この行為がルルーシュへと多大な負担を強いているのはもちろんスザクだって承知だ。
それでも、自分を受け入れて色香を漂わせるルルーシュに、ついセーブする事を忘れてしまいそうになる。


「誰のせいだ!」
「はいはい、僕のせいです、僕が悪いんです。…だからほら、ルルーシュ」


とすん、とルルーシュの身体を腕の中に閉じ込めて、先程まで激しい欲を向けていたとは思えない程柔らかな笑みを向けた。
慈しむ様に抱き寄せ、肩までブランケットを掛け直すとその身体を包み込む。
とくん、と伝わるスザクの心臓の音がルルーシュの心の中に浸透して、休息を求める身体が素直に反応を返した。
とろんと瞼を緩めて無意識にスザクへと擦り寄るルルーシュに、彼には気付かれないように笑むとスザクは静かに眠りへと落ちていく彼に優しくキスをした。


「おやすみ、ルルーシュ」










―――そして翌日。


『話を聞け!この体力馬鹿っ!』


「―――ホント、可愛いよね、ルルーシュって」


ラジオの電波に乗る誰より愛しい相手の声に、「さて、帰ってきたらどうしようか」などと幸せな気分を味わいながら、笑みを押し殺した。



2007.06.12
C.C関係、ゼロ関係の発言は無かった事に(笑)
このCD、公式スザ/ルルCDとして認定してもいいと思う。